第弐拾七話
『 月灯の下で 』
9
「えっ…?」一瞬、シンジは意味が理解できなかった。
この数日、…今日もアスカはたまにボンヤリして、何か考え事をしてる様子だった。たまにシンジをジィーっと見ていたりして、気にしてはいたのだが、アスカの一言は意外だった。
ソファーに座ったまま、アスカはシンジに視線を向け
「あたしとじゃ…いや?」
と聞いた。左眼はまだ少し虚ろさを残しているように見える。
しかし、それが尚更アスカの真剣な表情を美しく見せていた。
キスをした時とは、あきらかに違う決意がアスカを動かしていた。
シンジは鼻の奥がツーンとするような、いつもの感覚を感じていた。
『わからなくなって逃げ出したい気持ち』
それがわかった時、シンジは首を振った。
「そんなんじゃない…。でも」聞いて良いのか一瞬戸惑い。
「アスカはそ…」
「言わないで!」シンジの意図を理解したアスカは言葉を切った。
「そんな事聞かないでよ」
アスカは立ち上がり、シンジの前に立つ。
「ファースト…、の事を忘れて欲しいなんて思わない…。シンジの一部みたいな人だから。」目線を伏せるアスカ。
「でも、わたしは一部じゃない。…一人の女よ…」
アスカは顔をあげて言った。
「わたしをそのままにしとく気…?」
精一杯の、搾りだすような思いだった。涙が滲んでいた。
「アスカ…」反射的にシンジはアスカを抱いた。
「ボクは君が好きだ」
全ての壁は崩れた。
二人はどちらからともなく唇を重ねた。
以前の様な、唇の先を触れさせるものでは無く、何度も求め合った。
シンジは唾液に濡れたアスカの唇の感触に、求めずにいられなかった。
吸着するかの様な薄い唇。トロける様なやわらかく小さい舌。
甘いアスカの唾液。
触れ合う鼻先が、互いの距離を意識させた。
アスカはシンジの下唇を唇で咬み、やさしく吸った。シンジの手は、アスカの腰から尻に下がったが、アスカはキスを続けた。
アスカは下腹部に、シンジの物がむくむくと隆起するのを感じていた。
隆起したそれは、ゴリっとした硬さを主張し、『求められてる実感』が、アスカを悦びに誘う。
むしろ、シンジが腰を引いてほしく無いばかりに、アスカはスリよる。
シンジの手がアスカの柔らかい尻頬を撫でる。
シンジは柔らかい女の肉に、それ意外の思考を止められてしまった。
『見たい』『触れたい』思いを今、シンジは全てアスカに向ける。
シンジはアスカの胸に手を這わせる。そのやわらかな感触は、シャツの下が素肌だと理解させる。
固く存在を主張する先端。
「んっ」と、アスカは小さな声をたてる。