第弐拾七話
『 月灯の下で 』
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翌日、シンジ達はあの海岸へ行ってみたが、誰もいなかった。
人がいたような形跡もない。しばらく二人は海を眺めていた。
遠くしかし、巨大なリリスの残骸は消えていた。
『綾波…。かぁさん…』
思いに浸るシンジに、アスカは気付かないフリをした。
コンビニの食料も無限ではない。シンジは食料や物品の調達を始めた。
ガソリンが心許なくなったが、アスカがゴムホースで他の車から抜き取る方法を知っていた。
「どこで覚えたの?」意味ありげなシンジの質問に、
「昔の映画で、ドイツの戦車兵がやってたのよ!」
嬉々として言うアスカ。
段々、サバイバル生活の様な日々になっていったが、何か充実していた。
そうして過ごしてる内に、幾日か過ぎていった。
アスカは包帯を外したが、相変わらず二人以外の人間には、出会わない。
9日目の夜、シャワーから戻ってきたシンジにアスカは言った。
「ねぇ、シンジ。…セックスしようか…」
アスカの視線はランプの炎を見つめていた。