第弐拾九話
『 黒い月 』

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いつの間にか下着は、覆う部分が体から剥がれ落ち、片方の紐だけになり、そこにスカートの裾が挟み込まれていた。肩紐は二の腕に落ち、あらわになった膨らみは、シンジの手のひらの中にある。
『すごいカッコウ…』
アスカの左脚は、シンジの手により、彼の膝の上に足を置いている。
人に見せられない姿を屋外で晒していると思うと、アスカは興奮した。
『こんなの、まだ早い』と内心思ったが、シンジが立ち上がり、下半身をはだけると、ソレが見えて思考が飛んだ。
あてがわれるソレに、視線を反らし、少し腰を上げて位置に姿勢を合わせるアスカ。
さしたる抵抗も無く、力の流れのままにシンジが入り込む。
「アスカっ…んっ!」「ふぁあっ!」
同時に漏れる二人の声。
アスカの左脚を抱えたまま深く求めるシンジ。
「んっ!ぅんんっ!」突き上げられる感覚に、堪えるようなアスカ。
シンジの眼前で、まだ少し硬さ残しているアスカの膨らみの中の柔らかさが、弾むようにゆれる。激しくなるシンジの息遣いに、アスカは串刺しにされている様な気分になったが、出入りするシンジの感触で、意識がいっぱいになるのと、強い日差しを目蓋の裏に感じていた。

以前ならば、いつ人に見られてもおかしくない場所で情事は続いた。
今時分は、のどかな昼下がり。アスカは、こんな非日常に興奮している自分に少し驚き、シンジに対しても驚いていた。
『こんな強引だったっけ…?』
男の子は皆『男』になると、こんなに変わるものかと考えていた。
『悪くないけど…』
アスカは、自分にこの衝動を向けているシンジが嫌いでは無かった。
アスカには、シンジがアスカに対して【ヨクなるように】努力しているのが良く感じ取れた。
「んっ…はぁはぁ、あぁぁ!」
どこか頭の片隅で冷静に考えながら、大部分は快感で満たされている。
「だめっ!シンジっ…だめっ!」
その言葉に、シンジは逆に止まれなくなる。
頭の中が浮く様な、身体の芯が引きつる様な感覚。固く尖った裂け目の中心が広がる様な感覚。
「だめっ!出ちゃう…なんか出ちゃうっ!」
アスカが腰を震わせ、目尻に涙を浮かべ懇願するかのように言う。
その吐き出すような声に、シンジは限界に達し小さく呻き腰を引いた。
引き離されるショックにアスカが小さく叫ぶ。
脈動のままにシンジの精液が、愛液の滴れたアスカ内股に散る。
アスカは身体が離れた時に後ろの柵に寄り掛かったまま崩れるように溜息をついた。その姿勢で何とか、落ち着きを取り戻そうとする。
『疲れた…あつぃ』率直にそう感じていた。
「…だいたいねぇー常識ってぇものが…」
車に乗ってからも、アスカはしばらくブチブチ言っていた。
「さっきさぁ…」シンジが口を挟む。
「なによ!?」睨むアスカはノーパンだ。
「何が出そうだったの?」
「うるさい!!」赤くなって怒るアスカにシンジ懐かしく思った。
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